COLUMN
コラム
2022.03.28
Vol.5
【防災備蓄】 停電対策!有効なのは 発電機か?蓄電池か?
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電源確保の重要性について
最近、蓄電池や発電機など電源について、多くのお問い合わせをいただきます。
これまでも災害時の停電に備え、照明やラジオを備蓄し、その使用時間を想定してその分の電池を備蓄するという事例は多くありあました。
しかし、2018年の北海道地震後に発生した大規模停電(ブラックアウト)、翌年の台風15号の倒木や送電線の倒壊よる大規模かつ長期にわたる停電により、企業や学校においても蓄電池や発電機を備蓄する動きが目立ってきました。
当初、総務部の連絡や情報収集を目的とし、スマホの充電を想定して容量も400kwh程度もののご要望が中心でしたが、最近では災害時に最低限行う必要のある業務を想定し、大型の蓄電池を用意する事例も増えてきました。
それぞれにメリットデメリットがありますので、それを踏まえて想定される作業や業務に最適なアイテムを選択する必要があります。
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発電機のメリット・デメリット
発電機は長時間安定的に大容量の電気を供給することが可能です。
燃料はガソリンを使うものと、取り扱いが簡単なカセットガスボンベ式のものがあります。
大前提ですが、発電機は室内で使うことはできません。燃料がガソリンでもカセットボンベのガスでも、発電機はエンジンなので排気ガスと音が出ます。発電機を室内で使い毎年の様に一酸化炭素中毒による死亡事故が発生しています。
電力の単位には、VA(ボルトアンペア、ブイエー)とW(ワット)が使われます。
発電機の出力を表す単位はVAで、900VAとか2.5kVAという表現が使われます。
100Vで使う場合、1VA=1Wなので、900VAの発電機が使えるのは900Wまで。
電気製品は動き始めるときに消費電力よりも大きい起動電力を必要とする製品があり、機器によっては表示電力の3~4倍もの電力が必要になることもあります。
従って、発電機のサイズを選ぶときは起動電力を合計し、そのワット数を上回るVAの機器を選びましょう。発電機にはインバーター方式、FW方式、スタンダード方式の3種類があります。
FW方式、スタンダード方式は安価ですが、パソコンなどの精密機械には、きれいな波形(電気)が出るインバーター方式の機器が必要です。
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蓄電池のメリット・デメリット
【メリット】
蓄電池は発電機と違い排気ガスは出ませんので室内で使えます。
熱が発生する為ファンが回る音がしますが、発電機ほどの大きな音ではありません。
充電により繰り返し使えます。
良く晴れた日にソーラーパネルを繋ぎ充電できるタイプもあります。
【デメリット】
燃料を補充すれば使い続けることができる発電機と違い、貯めた電気を使いきってしまうと、また充電をする必要があります。
充放電を繰り返すうちに電気を貯められる容量が減っていきます。
大容量のものは発電機に比べかなり高額になります。
熱だけでなく、寒さにも弱いという特徴があります。
コピー機など大容量の機器を使うには向いていません。
完全に放電した状態で長時間放置すると電池が劣化します。
コンセントに差しっぱなしで使えるタイプと、満充電になったらプラグを抜いて保管するタイプと2種類あります。
後者は管理の手間が増えるので、企業や学校の防災では差しっぱなしにできるタイプをお勧めします。
屋外の環境が使える場合、発電機と組み合わせて使うことで、かなり柔軟な運用が可能です。
蓄電池については、必要な業務を想定し、予算に余裕を見てできるだけ良質なものを購入することをお勧めします。
防災備蓄品の入替えのご相談は、実績と知見の豊富な株式会社遠藤防災事務所までお問い合わせください。